神社×マンションがブーム。赤城神社と須賀神社を例に最近の神社再生プロジェクトを考察する

2016年07月20日      2016年10月19日
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都内で坂めぐりをしていると、必ずと言っていいほど坂の上で神社を見かけます。東京の山の手では、神社以外にもお寺やキリスト教の教会、新興宗教の施設など、宗教に関連する建物が見晴らしの良い坂の上に建てられる傾向があるので、坂めぐりをしながら神社やお寺に訪れることも多いのですが、最近あることに気づきました。それがタイトルにも書いたような、神社の敷地内にマンションを建設するのがブームになっているのではないかということです。

普通に考えると、神聖な場所である神社と、マンションってなかなかセットにはならないと思うのですが、意外なことに、この組み合わせが最近あちこちで増えていて、驚きと同時にこれは面白いなとも思ったので、今回の記事では神社×マンションの実例をいくつか紹介しながら、なぜこの組み合わせが増えているのか考えてみようと思います。

 

神楽坂にある赤城神社の再生プロジェクト


Photo credit: Zengame via Visualhunt / CC BY

Photo credit: randomwire via Visual Hunt / CC BY-NC-SA

Photo credit: othree via Visualhunt / CC BY

新宿区のおしゃれエリア、神楽坂駅の地上出口から歩いて1分ほどの高台に赤城神社(あかぎじんじゃ)という神社があります。この赤城神社は2010年に、建築家である隈研吾氏のデザインのもと、「赤城神社 再生プロジェクト」という再建工事が行われリニューアルしたので、訪れた人が口を揃えて「これは本当に神社なのか?」と驚くぐらいスタイリッシュで今風な神社なのですが、この再生プロジェクトを行うにあたって神社の敷地内にマンションが建設されることになりました。

ちなみに、隈研吾氏は神楽坂に住んでいるみたいで、赤城神社以外にも同じく神楽坂の駅前に2014年に建設された新たな商業施設、la kaguのデザイン監修も手がけています。

この赤城神社リニューアル工事を行う際に発生する費用を捻出するために、境内に隣接していた場所の一部を三井不動産レジデンシャルが再開発することになり、三井の都市型ハイグレードマンションシリーズ、パークコート神楽坂が建設されたのですが、

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三井不動産レジデンシャル株式会社IRニュースより引用

このマンションの建設地は赤城神社から売却されたわけではなく、あくまで神社側から借りているだけなので、定期借地権が切れる70年後にはこのマンションは解体され、神社の敷地へと戻るようです。

平成21年(2009年)から22年にかけて「赤城神社 再生プロジェクト」と銘する工事が行われた。老朽化した社殿全体を建て替え、当神社境内に隣接していた幼稚園(私立赤城幼稚園)は少子化などの理由により閉園。その跡地を再開発するにあたり、建築コストを神社側で全て賄うのは難しい状況にあった。 そこで三井不動産レジデンシャルが約70年の定期借地権を設定して神社から土地を借り、神社の建て替えとともに敷地内に分譲マンションを建設、建物内にホールやギャラリーなどの施設を併設するというものである。そして地代や賃貸による収入を神社の運営に充てるとともに、借地権の期限が来たらマンションを解体し神社の杜に戻す予定である。

Wikipediaより引用

余談ですが、僕はパークコートシリーズの重厚感のあるデザインが大好きです。街中を歩いていてかっこいいなーと思うマンションを調べてみるとパークコートだったなんてこともありました。公式サイトを貼っておくのでぜひ見てみてください。最近発表されたパークコート青山ザタワーがもの凄いです。

あ、あとパークコート神楽坂の地上階には「あかぎカフェ」というおしゃれなカフェも入っています。境内の中にカフェ!

赤城神社は敷地の一部をデベロッパーに借地して得るお金を使って、神社を再建したわけですね。「神楽坂」という、山の手の中でもトップクラスにブランド力のある土地に位置しており、一定の敷地を有する神社はこのように、その土地の希少性を活かして定期借地権でマンションを建設することによりリニューアルされていることがこの例から分かりました。プロジェクトの具体的な背景はこちらの記事で詳しく書かれているので興味のある人は見てみてください。

神楽坂・赤城神社再生に世界的建築家・隈研吾氏
神社がマンションに!パークコート神楽坂が竣工

この赤城神社の例と同じような神社×マンションの組み合わせが山の手に位置する他の神社でも起こっています。もう一つ見てみましょう。

 

四ツ谷の崖上に位置する須賀神社と「須賀の杜hareterrace」


Photo credit: Kentaro Ohno via VisualHunt / CC BY

Photo credit: Kentaro Ohno via Visualhunt.com / CC BY

赤城神社と同じ新宿区に位置する須賀神社(すがじんじゃ)でも、敷地内に住宅を建設する事業が行われました。須賀神社の場合は、赤城神社よりもかなり規模が小さいのですが、実際に現地に行ってみると、とてもオシャレな建物が目に入ります。

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stroogより引用

ブルースタジオはこのほど、東京・四谷の神社境内で企画を進めていた新築賃貸住宅「須賀の杜hareterrace」を竣工した。 300年以上の歴史をもつ須賀神社境内で進められていた事業。事業主は宗教法人須賀神社で、駐車施設と隣接の新宿区に無償提供していた公園跡を利用したものだ。

東京・四谷神社境内で賃貸住宅 「共存」「和」をテーマに ブルースタジオが企画より引用

須賀神社の敷地内に建てられた「須賀の杜hareterrace」は神社が大家さんという珍しいタイプの物件で、公式サイトによると賃料:169,000円〜204,000円で借りられるようですが人気のため、すぐに部屋が埋まってしまったそうです。須賀神社が位置しているのは崖の上で見晴らしのよい高台でありながら、東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅から徒歩圏内なのでこうした都心部の神社×マンションはニーズがありそうです。実際に行ってみるとよくわかるのですが、それほど広くない敷地でも都心の一等地であれば神社の境内にマンションやアパートが今後は建設される可能性が高いことが須賀神社の例から見てとれます。

神社×マンションがブームのまとめ

  • 神社の敷地内にマンションを建設する動きが都心で増えている
  • その理由は改修工事にかかる費用を捻出するため
  • 神社は坂上の好立地にあることが多いので、マンションが建てばニーズがある

神社が位置する坂の上の由緒正しい住環境良好な場所というだけでも、物件としてのニーズがありますが、それに加えて「神社の境内に住める」という話題性もあるので、こうした神社×マンションの組み合わせは人気が高いです。下鴨神社のマンション建設問題で話題になったように、神社を上から見下ろす形になるマンションはいかがなものかという批判もネット上では見受けられますが、その費用対効果の高さから、「今度はうちの敷地にも建てよう!」と考える神社の数は今後も増加するでしょう。再開発好きの僕個人の考えとしては、赤城神社のように神社の伝統を尊重する形で再開発が進むのであれば大いに賛成で、21世紀らしい新しい形の神社が生まれる今の流れが今後も続くことを願います。都心部の神社を訪れる際は、敷地内にマンションが建っているか見てみると面白いかもしれません。

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