海外旅行で注意すべき3つの「治安の悪さ」スリ・詐欺・ひったくり、不良集団、テロ対策

2017年01月05日      2017年01月05日
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海外旅行を計画する時に気になる現地の治安。「治安が悪い」や「治安が良い」という言葉はよく聞きますが、僕は「治安が悪い」には3つの種類があると考えていて、それぞれの違いをしっかり理解しているかどうかが、トラブルに巻き込まれないために重要なことだと考えています。

このページではまず「治安が悪い」とは何なのか。3つの種類の治安の悪さを紹介して、次に具体的にそれぞれの治安の悪さに対する対抗策を書いていきます。

「治安が悪い」とはそもそも何か

↓音量が大きいので注意。

「治安が悪い」という言葉はよく耳にしますが、この「治安が悪い」は3つのカテゴリーがあると思っていて、僕の経験上それは、

  • スリ・詐欺・ひったくりの危険性
  • 不良に絡まれる(強盗・暴力)の危険性
  • テロの危険性

で、それぞれ別物として考える必要があります。

例えば2015年にパリでテロ被害を受けた11区のシャルリ・エブド社とバタクラン劇場の周辺でスリ・詐欺・ひったくりが多いかと言われたら、必ずしもそのエリアばかりが狙われているわけではなく、むしろスリ・詐欺ならパリ中心部の観光客が多く訪れるルーヴル美術館やエッフェル塔の近くで行われています。

同様に、不良に絡まれる可能性のある場所はスリの発生頻度の高い場所やこれまでテロで狙われてきた場所と必ずとも一致しません。

そう考えると私たちが海外旅行をする時に気にする「治安が悪い」にはより細かい3つのカテゴリーがあると考えるべきで、彼らの出没場所や犯行手口が違うのだから、それらは別物として捉えるべきなのです。

スリ・詐欺・ひったくりの危険性

「治安が悪い」一つ目のカテゴリーは「スリ・詐欺・ひったくり」です。市街地で頻発するこれら3つの犯罪は基本的に、

  • 観光地で、
  • 観光客を対象に、
  • 計画的に

行われています。こうした犯罪を行うグループは現地情報に無知である観光客をターゲットにして、ほとんど定型化した犯行パターンで犯罪行為を行います。彼らの手口は巧妙で、それを知らなければ良いカモになってしまうのです。

対策:犯行パターンを知ること

ただ、犯行パターンが定型化しているということは、そのパターンさえ把握しておけばこちらとしては対策ができるわけです。詳しくは次の記事で書いているのでこれから海外旅行をする人にはぜひとも目を通してほしいのですが、

  • 観光地の地上(特に混雑している場所)
  • 地下鉄の駅構内
  • 地下鉄の車内

の三箇所がとりわけ警戒すべき場所で、こうした場所で頻発している犯罪行為のパターンを覚えておけば被害にあう確率はグッと減ります。

不良に絡まれる(強盗・暴力)の危険性

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パリ郊外へ向かう途中の高架下

「治安が悪い」カテゴリー二つ目は不良に絡まれる危険性です。日本国内では例えば夜の歌舞伎町のような場所はその噂が広まっているため、避けられますが、土地勘がない海外都市だとそうもいきません。

例えばホテル選びの時に少し値段の安い場所を選んだら、その辺りが危険地域だったなんてこともありえます。こうしたことを考えると、海外でホテル選びをする時には最新の注意を払う必要があるのですが、僕の知人や友人を見ていると、値段で選んでしまっている人が多いように思えます。

具体的に海外でのホテル選びの際に重視するポイントは次のページで書いているので、これからホテルを選ぼうとしている人は必見です。

海外旅行のホテル選びのポイント4つ。利便性と治安、設備と値段を重視すべし

対策:彼らのテリトリーを知ること

出会ってしまったらトラブルに巻き込まれること必至な不良集団。では彼らと出会わないためにどうするか。確実な方法は彼らのテリトリーに侵入しないことです。

僕の経験上、不良集団がたむろしている場所には共通点があります。そうした場所に近づかない限り彼らからこちらにやってくることはありません。

  • 観光地から離れている
  • 都市の周縁部
  • 大型駅の近く(北部・東部が多い)
  • 夕方以降の時間
  • 移民出身系のお店が多い

観光地から離れている

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まず、観光地に彼らがやってくることはありません。これはスリ・詐欺・ひったくり集団との大きな違いです。こうした不良集団の直接的な稼ぎは観光客からではなく、麻薬、ドラ●グ、強盗のように観光客以外をターゲットにしたものからなので、中心部にやってきて観光客を襲撃することはありません。

都市の周縁部

彼らが暮らすのは確かに都市部であっても、都心部ではないのです。多くの西洋都市では、都心から郊外に向かうにつれて生活費・家賃は下がってきます。彼らはそうした周縁部に住んでいて、実際、僕がバイクに乗った不良少年に後をつけられていたのもパリ市からその郊外に向かう間にある高架下でした。

大型駅の近く

パリ北駅
パリ北駅

傾向として大型駅の近くには不良集団が属するコミュニティーが形成されやすいです。日本の大型駅、例えば東京駅や新宿駅と違って海外では大型駅の周りが商業地区になっていない場所も珍しくありません。

さらに大型駅があるということはその周辺には路線が複数伸びています。こうした都会の空白地帯に彼らは溜まり場を作っているのです。

夕方以降の時間

彼らの活動が活発になる時間は夜です。犯罪行為を行っても目立ちにくいこの時間帯、そして彼らもアルコールや薬物でハイになっているので、グループ間同士の争いが多くなります。

日本ではもうなかなか耳にしない不良集団同士の抗争が海外では未だ続いていて、例えば僕の住むパリだと移民出身者の多い18区、19区では中国系グループとブラック系グループの争いが現在でも行われています。

移民出身系のお店が多い地域

移民出身者すべてが悪者というわけではありません。この点は忘れないでください。彼らの中にも医者や技術者、料理人など現在業界の最前線で活躍する人たちはいます。

ただし、経済的理由で移住してきた後に正しく社会に統合されなかった人たちの場合、その子供は反社会的なコミュニティーに属する可能性も高くなります。

不良集団が生まれるケース、パリの例

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例えば、現在不良集団としてパリ市内で活動している人の多くは移民3世と呼ばれる人たちです。詳しく説明します。

  • 移民第1世代:1950年代〜1970年代に出稼ぎのため移住、のちに家族を呼び寄せ定住。

この移民第1世代は出稼ぎのため、生活がかかっているので必死に働きます。彼らの仕事内容といえば、開業コストの低い出身地域の料理店¹や工場労働員として働いている人たちがほとんどです。

※¹:移住したばかりの人は新天地で金、コネがないのでまずは出身地域料理のお店を手伝うことが多いです。こうした理由で移民出身者が多い地域にはケバブ料理店やインド料理店のような、「エスニック料理」と呼ばれるお店が多いです。日本でも横浜中華街や、新大久保の韓国料理店はこのケースです。

  • 移民第2世代:移民第1世代の子供にあたる世代。社会に統合されているかどうかで境遇は大きく変わる。

移民第1世代の子供にあたるこの世代が教育制度に組み込まれたかどうかがその後の第3世代の将来に大きく関わります。もし移民第1世代が仕事に打ち込むあまり、もしくは教育制度を利用しなかった場合、子供=第2世代を学校に送らずに育ててしまいます。

  • 移民第3世代:移民第2世代の子供。親が教育の価値を理解していないため、国によって教育制度に統合されても、ドロップアウト→反社会的な組織に染まる可能性がある。

この第2世代で教育制度を受けていない人が子供を持つ時、ほとんどの親は教育の価値を理解することができず、彼らの子供=第3世代に十分な教育を行わないため、結果的にドロップアウトするものが多く、そういった子供たちが10代後半になり、反社会的な行動に出始めるのです。

こうした背景を知った上で、彼らのテリトリーを尊重することが私たち観光客がトラブルに巻き込まれないためにすべきことです。

テロの危険性

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パリの年越しイベント周辺に設置されたブロック

「治安の悪さ」三つ目。特にここ数年テロの危険性は治安の悪さとして語られることが多くなってきました。しかしここまで見てきた「スリ・詐欺・ひったくり」の危険性や「不良集団」の危険性と比べて「テロ」の危険性は対策が取りづらいものです。

これまでの都市部で起こったテロのパターンとして、大きく分けて特定の集団を対象としたもの、無差別の2つにカテゴライズしてここでは対策を書いていきます。

  • 特定集団へのテロ
  • 無差別テロ

特定集団へのテロ

特定集団へのテロは2015年1月にパリの新聞社、シャルリ・エブド襲撃事件や、バングラデシュの外国人を狙ったレストラン襲撃事件のようなものがあります。

このタイプのテロはある集団が別の集団に対して報復として攻撃を行う場合で、もし自分が攻撃対象となった「集団」に属している意識がなくても被害者となる可能性はあります。

  • 事前対策はしづらい

無差別テロ

もう一つは無差別テロ。こちらは観光地やイベントなど人が密集するエリアを狙ったテロです。

お祭り

2016年に起こったものだと、7月14日の革命記念日にフランスのニースにあるお祭り会場で起きたトラック突入事件、12月20日にドイツ、ベルリンのクリスマスマーケットで起きたトラック突入事件が真新しいです。

  • 大型車両が侵入してこない会場を選ぶ
  • 手荷物検査がないところは避ける

7月のトラック突入テロにより80人以上の死者が出たことから、トラック突っ込みの容易さ、規模の大きさ、殺傷能力の高さが知れ渡ってしまったので、今後も武器として利用される可能性は高いでしょう。

しかし、トラックが入ってこられない中心街であっても、自動小銃、ナイフ切りつけ、自爆のような攻撃は可能なので、手荷物検査がないイベント系は避けた方がよい¹です。

※¹:ただ手荷物検査があっても、場所によってはその検査の精度が低いところもあるので一概に「手荷物検査がある=安全」とは思わないでください。

地下鉄

イギリスの首都ロンドンの地下鉄で2005年に発生したテロ、ベルギーの首都ブリュッセルの地下鉄で2016年に発生したテロがこのケースに該当します。

上記の2件が発生したのはどちらも午前9時ごろ。この時間帯だけに起きるものではありませんが、被害規模の大きくなる混雑時間帯を容疑者は狙ってくるはずなので、とりわけ朝と夕方は意識をした方が良いでしょう。この時間帯はスリ犯も多いのでこちらも注意です。

  • 混雑時間帯である朝と夕方のラッシュ時は避ける

空港

イスタンブールのアタチュルク空港襲撃事件やベルギーのブリュッセル空港で発生したテロ事件がこのケースです。

事件が発生したのは空港内の出発ロビーと到着ロビー。どちらも手荷物検査なしで誰でも入れるエリアでした。手荷物検査場の内側は安全が確保されているので、できる限り空港内の手荷物検査場を除いた場所での滞在時間は短くしましょう。

  • 手荷物検査場以外の場所での長居は避ける

全般的な心構え

最後に、このページでは「治安の悪さ」を3つのカテゴリー、

  • スリ・詐欺・ひったくりの危険性
  • 不良集団の危険性
  • テロの危険性

に分けてそのパターンと対策を見てきましたが、全般的な心構えとして、海外の観光地を訪れる場合は常に何らかのリスクがあると考えておいた方が良いでしょう。スリも詐欺も、不良集団との遭遇も自身の危機管理能力が試されます。

そして海外旅行はそのリスクを考えた上でも得られる経験が貴重なので、危険だからといって旅行の機会を逃すのはもったいないです。このページで紹介したリスクを知った上で旅を重ねると次第に「ここは危ない」、「こうするのは危険だ」という感覚が身についてくるので、徐々に慣れていくしかありません。この点は僕もまだ会得しきれてないので、これから旅を続けながら身につけていこうと思います。

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