【2017年度版】パリの地区別危険度が一目で分かる治安マップを公開。治安の良い・悪いエリアを知りパリ旅行のホテル選びや旅行プラン作りの参考にしてください。

2017年01月14日      2017年05月03日
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家族や友人がパリに来る際、どの地域にホテルを取るのが安全か相談されることが多かったので、パリ在住者視点で地区別の危険度が分かる治安マップを作りました。パリの土地勘がない旅行者には参考となるはずです。

パリ政治学院の都市政策を学ぶかたわら、観光地だけではなくパリ市内と郊外を含めた貧困地区や高級住宅地区に足を運びこれまで実地調査を行なってきているので、

  • 現地に行かずにネット上の情報を寄せ集めているキュレーションサイト
  • 短期滞在の日本人観光客

よりも見てきているものはより本物のパリに近いです。

そしてこの治安マップの危険度基準は単なる経験からだけでなく、ゼミ内での研究時に扱った統計資料、特にZone Urbaine Sensible : ZUS(都市内における緊張地区)を元に作られているので情報の精度には自信があります。

ホテル選びをする際に目安とすべきいくつかのポイントとそれぞれのエリアの治安事情についても書いているので、ホテル選びや旅行プランを立てる時に役立ててください。

パリを神格化するのは危険

エッフェル塔、ルーヴル美術館、シャンゼリゼ通り。パリと聞くとこうした観光地のイメージが頭に浮かびますが、こうしたエリアはパリのごくごく一部にすぎません。ガイドブックやキュレーションサイトに書かれているものの多くは幻想だと思った方が良いでしょう。

この幻想と現実とのギャップに落胆してしまわないように、あらかじめパリがどんな街かを知っておくのが重要で、まずは一つ、極端な例ですがパリ市内であまり治安がよくないとされるエリアのイメージを見てください。

次のストリートビューの撮影場所は観光地からもそう遠くないパリ10区のストラスブール通りです。

見るとわかるように、移民出身者と思われる外見の集団が何グループも道沿いにたむろしています。

実際、自分はこの通りを自転車で通った時にアジア系という外見から唾を吐きかけられたり、罵声を浴びせられる体験をしてきていて、こうした場所を避けるためにパリを旅行する際には事前に治安情報を知っておく必要があり、この記事を投稿する使命はその治安情報の周知にあります。

治安の目安

パリ市内の治安を隔てる大きな地理的要因は1)セーヌ川との位置関係2)中心部からの距離です。まずはどのエリアが安全でどのエリアが危険なエリアかを判別する場合に重要となるこの二点を最初に紹介します。

  • セーヌ川の右岸と左岸(北部と南部)
  • 中心部と周縁部

セーヌ川の右岸(北側)と左岸(南側)

まずパリ市は中心部を東西に流れるセーヌ川によって南北2つのエリアに分かれています。セーヌ川の北側が右岸、南側が左岸です。

そしてセーヌ川の北側と南側のどちらが危険かというと、より危険とされているのは北側(右岸)です。「危険」という言葉をどう解釈するかにもよりますが、盗難被害件数(Cambriolages)や傷害事件数(Coups et blessures)を次のl’Observatoire national de la délinquance et des réponses pénales (ONDRP) を元に作られたサイトで確認すると、どちらを取っても北側の方が高いことがわかります。

セーヌ右岸(北側)のホテル選びには注意

セーヌ川沿いの北側地域にはルーヴル美術館、シャンゼリゼ通り、マレ地区などパリ市を代表する観光スポットが集まっているので、その観光地周辺のホテル相場は非常に高く設定されています。

こうした高価格帯のホテルに宿泊するのは予算的に難しいので、価格が低くなる、より北部のエリアにホテルを予約してしまう人が多いのですが、これは危険なので避けてください¹。というのもパリ市の北部は市内でも最も危険と言われる地域で、土地勘のない観光客が足を運ぶのはできる限り避けた方が良い場所がほとんどだからです。

※¹:もちろんパリ北部全域が危険なわけではありません。ただ土地勘がない観光客が行くのは間違いなく危険です。

パリ郊外のサン=ドニ地区はさらに危険

パリ観光の際に個人旅行でなく、パッケージツアーを選択する人も多いと思います。こうしたパッケージツアーは低価格でパリ観光を行える点が魅力的なのですが、旅行会社によってはホテル宿泊費を抑えるためにパリ北部やパリ北部郊外のサン=ドニ地区にホテルを取るケースがあります。

こうした地区はホテル周辺であっても日本では考えられないほど危険な地域なのでパッケージツアーを予約する際は宿泊場所を必ず見るようにしてください。実際、つい最近もサン=ドニ地区にホテルを取った韓国人ツアー客の乗ったバスが襲撃される事件があったばかりです。

アジア系の外見はパリにおいて標的とされる可能性が明らかに高いことを意識しておいてください。

韓国人団体観光客40人余りは、前日午後9時頃(現地時間)、エッフェル塔観光を終えてバスに乗って宿舎のあるサン・ドニ地域に帰る途中、黒人暴漢らの襲撃を受けた。バスを取り囲んだ後、ドアを強制的に開かせてバスに乗り込んできた暴漢らは、火炎瓶と見られるものを所持したまま、乗客らを脅迫し、パスポートやユーロスターの高速鉄道の乗車券、現金などを奪った。

引用元:パリで韓国人団体観光客が強盗被害

中心部と周縁部

パリ中心部からほど近いリュクサンブール公園

そしてパリの治安を知る時にもう一つ重要なのが中心部と周縁部という考え方。パリ市の中心部は観光地となっているため、そこに訪れる観光客を狙った盗難被害件数が多いです。

  • 中心部:観光客狙いの軽犯罪
  • 周縁部:不良集団による傷害事件

反対に周縁部はパリ市の都市政策の影響で中心部と比較して低所得者向け住宅の密集地域となっています。これは低所得者向け住宅というと分かりづらいですが日本で言うところの「団地」と考えてください。

「団地がある=治安が悪い」とは必ずしも結び付けられないものの、傾向としてこうした地域には不良集団や反社会的組織が集積することが多く、花の都パリとは似ても似つかないような光景が広がっています。

パリ18区の団地群

実際、僕もこうした地域にフィールドワークとして足を運ぶ際は細心の注意を払ってできるだけ彼らに遭遇しないような対策をしている²ので、土地勘のない観光客としては近づかないことが一番の対策になります。

※²:細心の注意をしていても運が悪いと避けられないケースもあります。自分の経験では高架線下を通った時に後ろからバイクに乗った少年からひったくり被害にあいかけたり、夜の地下鉄出口で移民出身系の男複数人に囲まれ財布を盗まれる経験をしています。

次のサイトではパリ市内の低所得者向け住宅の分布図が公開されています。

パリ市の治安を考えるときの目安2点のまとめ

ここまで見てきたことを簡単にまとめると次の2点になります。これから具体的な地域別の治安状況について見ていきますが、その前にこの2点を頭に入れておきましょう。

  • セーヌ川を基準にして南側の方が北側より安全
  • 周縁部よりは中心部の方が安全だがスリには気をつける

このポイントを押さえた上で、実際に地区別の治安状況を紹介していきます。

特別な用事がない限り避けるべきパリ北東部の18区、19区、20区

パリ18区、19区、20区の治安マップ

もっとも危険だとされているのはパリ市北東部の18区、19区、20区の3つ。ただし一概にこのエリアすべてが危険区域かと言うと、必ずしもそうではありません。

例えば19区にあるビュット=ショーモン公園ラ・ヴィレット公園。これらの公園は休日になると家族連れやカップルで賑わう平和な公園で、パリに来るのが2度目、3度目である程度慣れている人ならメトロを使って現地まで行けばそこまで危険ではありません。

芝生の斜面でピクニックやお昼寝もできるビュット=ショーモン公園

ただしこの地域は不良集団の島争いが今でも起きている地域で、大通りから外れた路地裏など土地勘がないために彼らのテリトリーに入ってしまう可能性もあるので初めての観光にはおすすめしません

都心部の公園でピクニック

パン屋さんでフランスパン、スーパーでチーズや生ハム、オリーブ、ワインを買って公園に持ち寄りピクニックをするのはある種とてもパリジャン・パリジェンヌらしい時間の過ごし方です。パリを訪れる人の中にはそういった体験をしたい人も多いのではないかと思います。

  • リュクサンブール公園
  • モンソー公園
  • モンスリ公園

そうした人にはパリ都心部の地元民が集まる上の三つの公園をおすすめします。これらの公園は観光客というよりも現地の人たちが余暇を過ごすために集まっている公園なので観光客狙いのスリ犯や詐欺師に会うことは滅多にありません。

反対にエッフェル塔近くのシャンド・マルス公園やルーヴル美術館近くのチュイルリー庭園は観光地にほど近く、観光客狙いのならず者が多いので注意してください。

次のページではパリの著名な公園を網羅しているので観光前にチェックしてみるとよいでしょう。

爆竹、不良集団、民族コミュニティー間の抗争

個人的な経験だと、18区ではエオル公園で公園の景色を撮っている時に絡まれたり唾を吐かれたり、19区では公道を占拠する暴走族に会ったり、20区ではベルヴィル公園出口付近にたまる不良集団と遭遇したりと、どの区でも何かしらのヒヤッとする経験をしています。

下の動画は僕が19区を歩いていた時に遭遇した暴走族です。パリ市の北東部でフィールドワークを行なっていると、こうした現場にはよく遭遇します。

パリ北東部、特にベルヴィルと呼ばれる地域では中国系移民出身者と北アフリカ系移民出身者コミュニティとの間に軋轢があり、僕が彼らの出身地を見分けられないように相手も、外見だけでは僕が日本からやってきた留学生で、彼らの敵でないことは伝わらないため、敵対組織の一員と捉えられてしまった場合には面倒なことになりかねません。

  • 抗争地域に立ち寄らない
  • アジア系はターゲットとして狙われている

特に中国系コミュニティはカードではなく現金を持ち歩いていることが多いことからターゲットとして狙われているので、間違われないためにも観光客が少人数でこうした地域に足を運ぶのは避けてください

18区の観光名所モンマルトルの丘・サクレクールは安全か危険か

モンマルトルの丘頂上からパリ市内を一望する眺め

18区に行く機会は普通の旅行者であればモンマルトルの丘とその近くにある芸術の広場、もしくはクリニャンクールの蚤の市くらいでしょう。この丘の上からは綺麗なパリの景色が一望できるためガイドブックによく登場する場所ですが、周辺のエリアは18区の中では安全です。

もちろんミサンガ売りやスリ犯には注意しなければいけませんが、モンマルトルの丘周辺は観光地化されているので不良集団と遭遇するケースは多くありません。

ただ、どこの地下鉄駅からこのモンマルトルの丘を目指すようにするかは注意した方が良いです。モンマルトルの丘に行くための駅は周囲にAbbesses、Anvers、Barbèsと3つ駅がありますが、Barbès駅は避けましょう

上のストリートビューを見ても分かる通りこの駅の周辺は常に人で溢れていて、かつタバコに見せかけた形で違法薬物を売っているような場所で危険です。雑踏に混じって観光客狙いのスリ集団も現れるのでこの駅は避けてください。

場所によっては注意すべき9区、10区、11区、12区、13区の一部、17区東部

パリ9区、10区、11区、12区、13区の一部、17区東部の治安マップ

場所によっては不良集団や強盗に注意する必要がある濃いオレンジ色で塗られたエリア。このエリアには観光スポットが少ないため基本的には足を運ばないエリアかもしれませんが、ホテルの価格が中心部と比べて安いので、この地域に宿を取る人も多いでしょう。

ただ、このオレンジ色に塗ったエリアでも赤色に塗った場所と同じくらい警戒すべき場所もあります。例えば10区のパリ北駅、パリ東駅周辺³は乗り換え以外では足を運ばない方がよいエリアです。

※³:東京駅や新宿駅のような日本の鉄道駅・地上駅周辺とは異なり、海外の大規模駅周辺は治安が悪いことが多いです。アクセスがよいからといって日本と同じイメージで考えないようにしてください。

大型駅周辺のホテルはその立地にしては驚くほど価格が安めに設定されています。なぜか。それは駅周辺地域の治安が悪いからです。

日本人は日本のイメージに照らし合わせて利便性とその価格から鉄道駅周辺のホテルを選んでしまいがちです。ただしこの判断は利便性と引き換えに窃盗や傷害事件に巻き込まれるケースへと発展することもあるので避けることを強くすすめます。

http://sakaotoko.com/2856/

13区の団地群

そして周縁部は低所得者層向け賃貸住宅が多いと記事の冒頭でも話した通り、セーヌ川左岸(南部)であっても観光客が足を運ぶ場所ではない地域もあるのでオレンジ色に塗られたエリアでのホテル探しはおすすめしません

場所によって状況が違うのでここに書かれている全てのエリアを同じようには語れませんが、このオレンジエリアでは特に、細い通り道や地下鉄駅出入り口付近は常に警戒しましょう。

観光客狙いの犯罪者に気をつける1区、2区、3区、4区、7区、8区

パリ観光地の治安マップ

パリと言ったら多くの人が思い浮かべるシャンゼリゼ通り、凱旋門、エッフェル塔、ルーヴル美術館、ノートルダム大聖堂などはすべてこの中心部のエリアに位置しています。

このエリアは多くの場合、観光地化されているので急に襲われるようなことは考えにくいです。ただし観光客狙いのスリ犯は数多くいる′ので注意しなければなりません。

※′:パリ市内で発生頻度の高いスリ、ひったくり、詐欺の手口を次のページで解説しているので旅行に行く前に目を通しておいてください。これを読むだけで対策が取れるので被害に遭う確率がグッと減ります

有名ホテルがほとんど。価格は高い

黄色に塗られた中心部のエリアに位置するホテルはそのほとんどが世界的に有名なホテルばかりです。宿泊料もそれなりに高く、学生旅行や個人旅行など予算があまり多くない人は手が出しにくいかもしれません。

お金があるなら利便性も考えてこのエリアをおすすめしますが、ああり予算のない人には次のエリアでの宿泊地探しをおすすめします。

5区、6区、7区、13区、14区、15区、16区は比較的安全なエリア

パリ5区、6区、13区、14区、15区、16区の治安地図

他の地域と比べて犯罪発生数が少ないのがセーヌ川左岸と西部のエリアです。ここで紹介するエリアの中でもさらに細かい分類があり、

  • 5区、6区、7区、16区:高級住宅街・オフィスエリア
  • 13区、14区、15区、17区西部:一般住宅街エリア

に分かれています。

5区、6区、7区、16区は安全だが高い

この4つの区は一部が観光地となっているので全域ではないのですが、ほとんどのエリアが住宅街、官庁街、オフィス街となっているためパリ市内の中ではもっとも安全なエリアですが、宿泊料金が高いのが難点です。

もしお金を気にしないのであればBooking.comエクスペディアなどのホテル予約サイトでこの区に絞って検索をかけてみてください。場所によってはお手頃なホテルが見つかるかもしれません。

13区、14区、15区は一般住宅街

5区、6区、7区よりも南に位置する13区〜15区は一般的な住宅街です。僕が暮らしているのも13区と14区の境界辺りで、治安はパリ市内の中では良い方です。

そしてこの辺りのエリアは高級住宅街ではないため、ホテルの宿泊料が抑えられるのも旅行客にとっては大きな魅力。特にそれぞれのエリアでおすすめなのが、

  • 13区:プラスディタリー
  • 14区:ダンフェール・ロシュロー、アレジア
  • 15区:ラ・モット=ピケ・グルネル

周辺のホテルです。この辺りなら料金は中心部ほど高くなく、治安面も安全で、なおかつ都心部へのアクセスが良いのでパリでホテルをとるならこの辺りのエリア一択です。個人的にはプラスディタリー周辺が一番コストパフォーマンスの高いエリアだと思っています。

パリ市内の危険度マップまとめ

最後にもう一度パリ市内の治安マップを見ながら要点を確認していきましょう。

パリ市内の治安マップ。地区別の危険度が一目でわかる

安全な場所でも気をつける

上の地図で緑色のエリアは「基本的に安全」と書きましたが、その真意は「パリには日本と同程度に安全な場所は存在しない」からです。

例えばいくら治安の良いとされる5区や6区でも犯罪発生数は低いわけではないし、おしゃれだからと言って短いスカートを履いたり、手提げ型のバッグを持ち歩くのは盗難防止の面から考えて避けるべきです。

世間ではパリ=おしゃれのイメージが広まっているので、せっかくパリに来たのだからと観光客であるあなたもおしゃれに着飾ろうとするかもしれませんが、これは犯罪者のよいカモです。どんなに楽しい旅行でも犯罪に巻き込まれればその体験は最悪になってしまうので、目先のことにとらわれずに防犯対策はしっかり行なってください。

知人の情報が正しいとは限らない

友人から聞いた「〜は安全だった」や「18区に泊まったけど何もなかった」は単に運が良かっただけで、短期滞在しただけの友人や知人からの話だけでは本当にその場所が安全かどうかは判断できません。

現地の治安情報を知るにはこのページのような、ある程度その場所に長期間通っている人の話を参考にするのが適切です。

ホテルの宿泊料は安いが危険と隣り合わせ。安全を取るか値段を取るか

パリ市内では基本的に安全さと値段が比例しているので、安全さを重視するならある程度高い地域のホテルを取らざるを得ません。

その上でリスクを避けることを考えて、できる限り周縁部を避け、なおかつできればセーヌ川左岸が望ましいです。ベストはパリ5区や6区ですが、これらの地域は都心部に近いことから宿泊料はかなり高めです。

そう考えると上で紹介した緑色の地域の中のおすすめエリア周辺でホテルを探すのが望ましいでしょう。

Booking.com

エクスペディア

パリの治安情報まとめ

以上が都市政策を勉強するパリ在住者目線からのパリ治安情報になります。これからパリに旅行を計画中の人や、パリを訪れようとしている知人・友人がいる人は情報をシェアしてあげてください。

次のページではパリ市内で起こるスリや詐欺の手口、またこうした被害が頻繁に起こる場所をまとめています。相手の手口を知っていることが最大の防御柵となるので、時間がある人は次のページにも目を通してみてください。

パリのならず者たち-観光地で横行するスリ・詐欺・ひったくりの手口一覧とその対処法

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