高輪1丁目と2丁目の坂上で起こる富と宗教の新旧対立を追う

2015年12月04日      2016年10月19日
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東京都港区高輪1丁目と2丁目で坂めぐりをしながら、東京における社会問題を見てきました。今回のスタート地点は東京メトロ南北線と都営三田線が通る白金高輪駅です。

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坂道の近くにはお寺が多い

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白金高輪駅を出てすぐに面白い名前の坂に出会います。この坂の名前は魚籃坂(ぎょらんざか)と言って、辺りには「魚らん商店街」という名前の商店街もあって地元の人に親しまれている坂みたいです。坂の標識に書いてあったのですが、魚籃の由来はかつて坂道の中腹に魚籃観音を安置したお寺があったことから名付けられたそうです。魚籃坂のように坂の名前は近くのお寺や神社から由来することが多いのですが、このことから分かるのは、お寺や神社は坂の近くに建設されることが多いということです。

宗教関連の施設はキリスト教や仏教、神道、新興宗教などの関わりなく基本的に坂の上や小高い丘の上に立っていることがほとんどです。今回坂めぐりをした白金高輪エリアもその例外ではありませんでした。高輪の坂をめぐりながら宗教施設と坂道との関係について詳しく見ていきましょう。

 

高輪1丁目の古びた住宅街

魚籃坂から横にそれた一本の名前の無い急な坂道を登ってみます。東京では坂を上った先に閑静な住宅街が広がることが多く、高輪1丁目の坂上の街もそれに当てはまります。ただ、田園調布や渋谷の松濤、南麻布などの高級住宅街と比べると高輪1丁目からはそれほど高級住宅街オーラ、異世界の雰囲気は感じられません。

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数軒に一軒、立派な一軒家が点在するものの、そのお屋敷とお屋敷の間にはごく一般的な規模の、築年数が20年以上は経っていそうな賃貸アパートや一軒家も見受けられます。高輪1丁目の特徴はところどころに豪邸があるものの町全体としては洗練された空気を醸し出していない住宅街といったところでしょうか。

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宗教と隣り合う街、高輪2丁目

高輪1丁目を後にして次なる目的地、高輪2丁目に向かうことにします。白金高輪駅から泉岳寺駅のほうへと向かうと海抜が次第に下がっていくのですが、土地の高さが変わっていくとそれに応じて自然と街の景観も変化していきます。

まず、高輪2丁目に入って気づくのはお寺の多さです。このあたりの限られたエリアにいくつものお寺が集中しています。面白いのはこれらのお寺がどれも坂の近くに位置していることです。冒頭でも述べたようにお寺は坂道、とりわけその中腹や坂上に建設されることが多いことがここでも明らかになりました。

 

高輪2丁目の宗教色はお寺だけで十分に濃いのですが、ここにはお寺よりも外部から見てそれが宗教施設だと一目でわかる施設が存在します。それが新興宗教に分類される幸福の科学の巨大な建築物です。目の前の通りを歩いているとその迫力ですぐに目に入って来る存在感MAXな外観をしています。仏教は私たち日本人の生活に溶け込んでいるせいか、自然なものに感じられますが、このパルテノン神殿のような門構えをした建物は一種、異質なものに感じられます。古くからこの地域で生活をしている住民たちはこの新しい価値観に対してどのような抵抗を見せているのでしょうか。

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泉岳寺と隣接するマンション建設問題

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巨大な建築物を後にして、南にある品川駅方面へと歩いていくと右手に忠臣蔵の話で有名な泉岳寺(せんがくじ)が見えてきました。泉岳寺も緩やかな坂の上に立つお寺なのですが坂上の街の特徴として挙げられる、

  1. 宗教関連施設の多さと
  2. 低層マンションを中心とする高級住宅街

との間で問題が発生しているみたいです。というのも歴史的価値のある泉岳寺のすぐ隣に8階建てのマンションが建設されていて、泉岳寺の景観を損ねる恐れがあるとしてマンション建設に反対している団体が活動しているのです。2015年の12月初旬に訪れたときにはすでにマンションは建設されていて、ほぼ完成している状態だったので反対活動をしていた人たちの努力は無駄となってしまったのでしょうか。

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ここからは僕の想像ですが、2020年前後に泉岳寺駅周辺に山の手線30番目の駅が完成すること、さらに隣駅の品川駅がリニアモーターカーの始発駅になることから、このあたりの地価がそれに応じて上昇することは間違いないので建設業者は反対の声を押しのけて作業へと移ったのではないでしょうか。建設業者はずいぶん短絡的な目の前の利益しか見えていない行動に思えますが、お金の力って恐ろしいですね。ちなみに近隣のマンションは泉岳寺を地域のシンボルとして考え、自主的に3階までの造りにしようと自主規制をして景観を保ってきたようです。

坂上の街の特徴ともいえる宗教施設や高級住宅街を高輪1丁目と2丁目でも確認することができましたが、これら2つはうまく共生していることもあれば高輪2丁目のように対立問題を引き起こすこともあると認識しました。古くからの高級住宅街と新興宗教との不調和があれば、古くからのお寺と新しい高級マンションとの対立もあって、坂上の街では古いものと新しいものの衝突が起きていると改めて知ることができました。

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