パリ市内で暮らしていると移動手段の多さに驚かされます。電車やバス、トラムはもちろんのこと、自転車、キックボード、セグウェイで街中を移動している人が町中にいます。
中でもキックボードは数ある移動手段の中でも個人的には便利さがダントツに高いと思っていて、せっかくの機会なので最新のキックボードを買ってみたので今日は最新キックボードOxelo Town9(オクセロタウン9)を紹介します。
まずは公式動画を見てみましょう。かなりスタイリッシュな移動手段として位置付けされているのが分かると思います。
動画を見てもらうと分かるようにオクセロタウン9には3つのフォームが存在します。
- 通常モード
- 自立モード
- 折りたたみモード
通常モードは普通に乗る時、自立モードはちょっと休憩する時、折りたたみモードは転がしながら歩く時か収納時に使うモードです。
このページの内容
なぜキックボード?
キックボードというと日本では小学生が放課後に住宅街を走り回っているイメージがあり、大人が乗るものではないと考えている人も多いのではないでしょうか。僕もパリに来るまでは同じような考えを持っていたのですが、ここパリでは年齢や性別を問わず移動手段としてキックボードを利用している人がかなりいます。
キックボードの利点
キックボードの利点はずばり持ち運びやすさです。スピード的には自転車に軍配が上がりますが、キックボードの場合は無料で地下鉄やバスにも持ち込むことができます。
そしてパリでここまでキックボードが一般的な移動手段になっているのは次のような理由があります。
小さい街パリ
パリの街は非常に小さな街です。大きさでいうと山手線の内側と同じような面積で南北18km、東西9kmと言われているコンパクトシティです。
これがもっと大きな都市になると移動する距離も伸びるためキックボード移動には適しませんが、パリぐらいの大きさだとキックボード移動がちょうど良いのです。
交通網が発達
地下鉄、バス、トラムの駅数が多く、駅間の距離が短いのもキックボードがパリでこれほどまで流行っている理由の一つでしょう。先述したようにキックボードは折りたためば公共交通機関に持ち込めるため、キックボードで駅まで向かい、電車に乗り、到着駅から目的地までキックボードで移動するといったことが可能なのです。
自転車と比べてスペースを取らない
折り畳み自転車をのぞいて普通の自転車は利用していない時に止めておくためのスペースが必要です。一軒家のように広い庭先があれば全く問題ないのですが、パリ市内は家賃の高さからアパルトマンがほとんどで一軒家がほとんどありません。
自宅のスペースは限られているため自転車が買えない人の代替手段としてキックボードが利用されているのです。
実際にキックボードでパリ市内を移動してみた
せっかくパリに住んでいるのでオクセロくん¹と一緒にパリ市内の観光名所を回ってきました。
※¹:オクセロくんと呼ぶことにします。
オクセロくんとエッフェル塔
最初はエッフェル塔!オクセロは自立させることができるので観光スポットで写真を撮るのも楽々です。
地面すれすれの角度から必死にキックボードを撮る僕に対して周囲の視線は冷ややかでしたが、まだまだ観光地巡りは続けます。
オクセロくんと凱旋門
次に来たのは凱旋門。エッフェル塔から凱旋門までは地下鉄駅で2駅ですが、今回は地上をオクセロくんで走って移動しました。
凱旋門近くにある砂が凄いエリアに入るとオクセロくんが死んでしまいそうだったので、コンクリートの上だけを走るように心がけました。隙間に砂が入ると後々面倒なことになります。
オクセロくん、地下鉄に乗る
ここで地下鉄に乗って次の目的地を目指します。折りたたむとかなりコンパクトなサイズになるので電車内でも邪魔になりません。
車内が混雑している時はハンドルの部分を取り外してオクセロくんを小さくします。
片手で持つこともできるので混雑している時はこんな感じになります。
オクセロくんとノートルダム大聖堂
続いてやって来たのはノートルダム大聖堂。だんだんオクセロくんと観光スポットを写真に収めるのにも慣れてきました。
ノートルダム大聖堂を後にしてセーヌ川沿いの遊歩道をオクセロくんに乗って移動します。石畳のゾーンはガタガタが凄いので転がしていくのがおすすめです。
オクセロくんとルーヴル美術館
最終目的地ルーヴル美術館に到着です。オクセロくんの角度と背景のルーヴル美術館がいい感じの構図になっていますね。
ルーヴル美術館近くの地面は平らですべすべしているのでオクセロくんの調子もかなり良かったです。
Oxelo Town9(オクセロタウン9)の口コミー実際に乗ってみての感想
ここからは実際にオクセロタウン9でパリ市内を移動してみて感じたことをレビューしていきます。口コミ的な感覚で見てもらえればと思います。
短距離移動はかなり楽
僕の家は最寄り駅まで歩いて5分ほどの距離にあるのですが、キックボードだとその時間を半減できます。駅に着いたらキックボードを畳むだけなので、時間の節約を考えると良い手段と言えそうです。
15分くらいまでの利用なら疲れることもないので、自宅から駅までの移動には適しています。
畳んだ状態で持ち運ぶのは重い
オクセロは重量が約5-6kgあります。これを重いと思うかどうかは人次第ですが、長い時間畳んだ状態で持ち歩くのにはあまり適していません。
ただ、畳んだ状態で持ち運ぶシチュエーションというのが、地下鉄駅構内での電車乗り換えぐらいしかないので、そこまで心配する必要はないでしょう。
転がすのが楽
普段はキックボードに乗って移動しますが中心街など人の多いところではオクセロを転がすようにしています。上で書いたように折りたたんで持ち運ぶのは腕が疲れてしまうので、転がしていますがこれなら疲れません。
小回りがきく
オクセロはOxelo Townシリーズの最新版ということもあって、かなりの改良が加えられているからかユーザーの使いやすさを意識した作りになっていて、小回りがかなりききます。
ハンドブレーキが付いているのが他との違い
オクセロタウン9の特徴はハンドルブレーキです。これまでは足元のタイヤを直接踏むことで速度を落とすブレーキとしての機能を果たしていましたが、最新作のタウン9では手元にブレーキが付いているため、自転車に近い作りになっています。
坂道は大変?
東京都心部と同じようにパリも起伏に富んだ街です。街のいたるところに大小様々な坂道がありますが、やはり登りとなるとキックボードは一苦労します。ただ、これは自転車も同じ、むしろ自転車のほうが大変かもしれません。
登り道に差し掛かったタイミングでキックボードはすぐ降りることができる上、押して登るのも重さが軽いためそこまで負担になりません。
石畳は大変?
パリ市内の公道は整備されているとはいえ、かつての石畳の道が通りによっては今もなお残っています。自転車でこうした石畳舗装の道を走るのはガタガタで大変、特に雨の日はスリップの恐れもあるので、個人的には大嫌いなのですが、キックボードでも同じことが言えそうです。
オクセロは衝撃吸収機能が付いていると言ってもさすがにパリの石畳の道は走りづらいです。
東京でもキックボード移動を流行らせたい
これほどパリで流行っているキックボード移動のブームは東京に来ることがあるのでしょうか。僕はやり方次第では流行ると思っています。特に湾岸地域のようなフラットなエリアであれば短距離移動に適しているキックボード移動が流行る可能性はあります。
ただそのためにはキックボード=子供のおもちゃというイメージを転換する必要があります。
パリではサラリーマンがスーツ姿でキックボードで移動している姿を目にすることも多いのですが、日本でそれをやったら怪しい人と思われてしまうかもしれません。
新たなトレンドとして大人のキックボード移動が取り上げられれば一気に人気に火がつきそうですが、まだ時間はかかりそうですね。
そして、オクセロタウン9を日本で手に入れるには4万円以上かかるみたいです。パリで買った時は160ユーロほどで買えたのですが、これでは2倍以上ですね。
ちなみに坂の多い文京区や港区を歩いていると電動自転車に乗った人をよく見かけますが、電動キックボードも存在します。実際、パリではごくたまに足で漕がずにずっとキックボードの上に乗って移動している人を見かけるので、電動キックボードも可能性としてはありです。ただ、キックボードが電動だと乗っているだけなので、もはやそれは「キック」ではないのかなという気もしますが。
以上パリ市内で人気の移動手段キックボードとオクセロタウン9の紹介でした。もう一つYouTubeでオクセロの動画を見つけたので興味がある人は見てみてください。
