少し前までは海外に旅行するとなると事前に日本の外貨両替所に行き、ドルやユーロなど現地通貨に両替してから出発するのが一般的でしたが、現地通貨での現金払いはクレジットカード払いに比べて損することが多いと知っていましたか。
今はパリに住んでいる僕も渡仏準備をする前まであまりクレジットカードの仕組みを知らなかったのですが、留学経験のある先輩から「海外に行くならクレジットカードを作っておかないと困ることが多いよ」とアドバイスを受けて作っておいて正解でした。
このページではなぜ現地通貨の現金払いは損をするのか、クレジットカード払いのメリット、デメリットについてまだクレジットカードを持ったことがない人にも分かるように紹介していきます。
出発直前でこのページを見ている人でもこのページで紹介しているクレジットカードは3日前やカードによっては当日でもカード作成・受け取りができるのでぜひ見てみてください。
このページの内容
そもそも日本で作ったカードが海外で使えるのか
まず最初に海外でクレジットカード払いをする時に疑問に思うこと。日本で作ったクレジットカードは海外旅行中でも使えるのでしょうか?
答えは「使えます」。三井住友VISAカードや
楽天カードのような日本の会社が発行しているクレジットカードでもカード申し込みの時に支払い方法としてVISAもしくはMasterCardを選択していれば、海外旅行中でもほぼ100%の場所でカード利用ができます。
僕がフランスのパリで利用している三井住友VISAカードと楽天カードはどちらも支払い方法としてVISAを選んでいますが、これまでクレジットカード支払いの場面で利用できなかったことは一度もありません。
レストランの会計でも地下鉄の乗車券でも、ホテルの宿泊料でもクレジットカードがあれば支払いはすべて済ませられるんです。
手数料は?
日本で発行したクレジットカードをそのまま海外でも使えるということは日本円を現地通貨にあらかじめ両替しなくても済むということになります。
ただ、クレジットカードを海外で支払い手段として利用する時は手数料がかかることを覚えておきましょう。例えばこのページの後半で紹介するエポスカードだと、支払いで払う代金にプラス1.63%の手数料がかかるので、カフェで1杯3ユーロ(約360円)のコーヒーを飲んだとすると、そこに手数料5.8円が加わり、365.8円の支払いとなります。
手数料がかかるのを見ると、「手数料のかからない現地通貨で払った方がお得かも」と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。なぜなら外貨両替所で日本円から現地通貨に両替する時にクレジットカード以上の手数料がかかっているからです。
現金支払いとカード払いはどちらがお得?
クレジットカードの支払いには、カード会社によりますが支払額のおよそ1-2%の手数料がかかることを見てきましたが、外貨両替所で両替する時には普通どれぐらいの手数料がかかっているのでしょうか。
両替所の手数料無料に騙されるな
駅や空港にある外貨両替所は多くのお客さんに両替をしてもらい利益を上げるために「手数料無料」を謳っているところが多くあります。でも実はこれにはトリックがあって、「手数料無料」と書かれた両替所ではたしかに手数料自体は無料なのですが、通貨の両替レートが実際のレートよりも高く設定されています。
例えば実際のレートが1ドル100円だとしたら、両替所に書かれているレートは1ドル104円〜106円で、一般的に両替所では少なくとも3%以上手数料を取られてしまいます。
例えば大手の外貨両替所Travelexのレートを見てみましょう。このページを更新した2016年12月28日の実際のレートが1ユーロ121.9円なのに対して両替所のサイトで書かれているレートは126.7円です。
さらにこのサイトで書かれているレートはオンラインのレートで、空港などの実店舗ではさらにレートが上がるので、手数料無料だからといって外貨両替所で現地通貨に両替するのはおすすめできないのです。
現地通貨が余った時のリスク
さらに現地通貨は使うたびに小銭がお釣りとして返ってくるので、帰国時にすべて使い切らなかった場合、お財布も重くなるし、日本では使いどころがないし、また両替所で今度は日本円に帰る時にも手数料を取られてしまうので結局損することばかりになってしまうのです。
そんな現金に対してクレジットカードの場合次のようなメリットがあります。
ポイントが付くカードを選ぶべし
会社によって還元率は異なりますが、一般的にクレジットカードで買い物をするとその支払った額の1%近くがポイントとして付いてきます。
ポイントが100円あたり1ポイント(1円分)付くカードを選べば、1-2%の手数料と相殺され、ほとんど手数料を払っていないのと同じになるので、この上でみてきたクレジットカードのデメリット「手数料」はほとんど無いものとなりますね。
ポイント還元率の高いカードは楽天カードやセゾン・ブルーカードの1%がもっとも高還元のカードです。
海外旅行保険が付いているカードを選ぶべし
旅行先でもしものことがあった場合に備えて、短期の旅行でも海外旅行保険に加入しておくのはもはや常識となりつつあります。
最近ではインターネットで海外滞在日数に合わせた短期間の保険プランが数千円の値段で加入できたりするので、僕も以前は旅行前にインターネットで保険に加入していたのですが、いくつかのクレジットカードには無料であらかじめ海外旅行保険がセットになっているものがあるんです。
例えば僕が利用している三井住友VISAカード三井住友VISAカードと
楽天カードはどちらも最初から海外旅行保険が付帯しているカードです。中にはセゾンブルーカードのような最高補償額の高いカードもありますが、最低限1枚こうした海外旅行保険付きのカードを持っていると安心感が違うので、持っておくのをおすすめします。
帰国時の荷物無料配達サービス
これはセゾンブルーカードに限った話なのですが、このカードを所有していると日本の空港に帰ってきた時に25kgまでなら荷物を空港のカウンターで預けて自宅まで無料配達をしてくれるのです。
この荷物無料配達サービスの魅力は実際に帰国時の状況を考えると魅力的なサービスで、帰りの電車やバスで大きなスーツケースをゴロゴロ転がさずに帰れる特権なのです。
クレジットカードを海外で使う時のメリット
ここまでみてきたクレジットカードのメリットを一度振り返って整理してみましょう。
- 申し込み時にVISAを選択すればほぼどこでも利用可能
- 両替よりも手数料が低いのでお得
- ポイントが付くカードを選べば手数料ほぼゼロも可能
- 海外旅行保険が無料で付帯しているものを選ぶと安心
- 無料配達サービスのあるセゾンブルーカード
こんなに魅力の多い海外旅行中のクレジットカード払いですが、僕自身がこれまでいくつかの国をカードとともに旅行した時に感じたクレジットカードのデメリットについて次はお話しします。
中にはカードが使えない国も
日本のカード会社で作るカードの支払い方法はほとんどがVISAかMasterCardなのですが、ハンガリーのブダペストとドイツのベルリンを旅行した時に困ったことがありました。
ハンガリーの個人店はカードが使えないところもある
ハンガリーの首都ブダペストで観光客向けではない、現地人向けのレストランの入店時に店員さんに支払い方法を聞いたところ、「ここで受け付けているのは現金だけだ」と言われたことがあります。
3日間の滞在中このお店以外のレストランやスーパー、地下鉄の券売機では問題なく日本のクレジットカードが使えたのですが、個人経営のお店で旅行客をあまり対象としていないお店の場合カードを受け付けていない場所もあるので気をつけましょう。
ベルリンの券売機はVISAもMasterCardもNG
ドイツはヨーロッパの中でも最大の国なのでてっきりどこでもVISAやMasterCardが使えると思っていたのですが、券売機の支払いで可能だった支払い方法はMaestroというデビットカードタイプの支払い方法だけで、現在日本ではカード作成時にこのMaestroを選ぶことができないのです。
現地通貨を引き出せるエポスカード
上の2つのシチュエーションのような「現地通貨でしか支払いができない」時、クレジットカードだけだとやっぱり困るだろうから、現地通貨を日本で両替して持って行こうと考える人もいるかもしれません。
でも現地通貨を手に入れる方法は日本の両替所だけではありません。海外旅行でのクレジットカード利用をおすすめしているエポスカードなら、現地のATMで必要な金額だけその場で引き出せる機能があるのです。
エポスカードで引き出しができるATMはPLUS(プラス)というマークが付いているATM限定ですが、ほぼ100%の確率で現地のATMにはこのPLUSマークが付いているので、街中で必要になった時に必要な分だけ現地通貨を引き出すことができます。
反対に現金が使えない場所もある
上の章では、カードの使えない場所が中にはあることと、その解決策を見てきましたが、これまで欧米の都市を何十箇所と訪れてきた僕からすると、むしろ現金が使えない場所が結構多くあります。
これは現金払いが一般的な日本と、カード払いが一般的な欧米の違いでもあるのですが、カード払いをする人が多く、現金を持ち歩く人の少ない海外では、その人たちの利用ニーズに合わせて現金を受け付けない場所があるのです。
例えば次の記事で詳しく書いていますが、フランスでは電車の切符を買う機械がカードしか対応していないことが結構あります。フランスに旅行する人は次の記事をしっかりと読んでもらいたいのですが、このようにカード払いが一般的な海外を旅行するときは僕たちもカードを持ち歩かないと支払いができないなんてことになってしまいます。
直前の人でも大丈夫
旅行直前の人でこのページを見ている人は、申し込みからどれぐらいの期間でカードを手に入れられるのか気になっているかもしれません。
最近は書類を記入したり、戸籍謄本を役所に取りに行かずとも、スマホやパソコンでサイトに行って入力をするだけでカードを発行できるようになったので、ほとんどの場合申し込み後1週間以内に、早いものだと3日、中には即日発行・利用可能というものも出てきました。
例えば現地通貨を旅行先で引き出せるのが魅力と紹介したエポスカードは最短即日でも受け取りができます。スマホかPCで申し込みをして当日マルイの店舗に行けばすぐにカードを利用可能になります。
セゾンブルーカードも同様に即日発行が可能なカードなので旅行直前の人でもなんとかなりますね。他のカードだと、楽天カードと三井住友VISAカードは僕の場合申し込み後3-4日で自宅に届きました。
このページで紹介したカードのまとめ
最後にこのページで紹介したカードの特徴と年会費や発行までにかかる時間、特徴などを表にしてみました。ここで紹介したカードはすべて無料の海外旅行保険が付いていて、スマホやPCからでも申し込めるので、旅行前の準備として発行しておくのをおすすめします。
三井住友VISAカード | 楽天カード | セゾンブルー | エポスカード | |
年会費 | 1年目は無料、2年目以降は「マイ・ペイすリボ」に登録すれば無料、学生なら2年目以降も無料 | 1年目も2年目以降も無料 | 1年目は無料、2年目以降は3000円 | 永年無料 |
旅行傷害保険 | 最高2500万円 | 最高2000万円 | 最高3000万円 | 最高500万円 |
申し込みから発行まで | 最短3営業日 | 最短3営業日 | 即日発行 | 即日発行 |
ポイント還元率 | 0.5% | 1% | 1%(海外の場合のみ) | 0.5% |
海外手数料 | 1.63% | 1.63% | 1.63% | 1.63% |
特徴 | 海外旅行の定番、利用者数が多い | ポイント還元率が高い | 帰国時に25kgまで荷物を無料宅配 | 現地のATMで通貨引き出しが可能 |
個人的なおすすめとして1番なのは年会費が永年無料で即日発行もできるエポスカード、現地のATMで必要な分だけ現地通貨が引き出せるのも魅力的です。
2番目に選ぶなら学生の場合、三井住友VISAカード、帰りの荷物が多くなることが予想される人ならセゾンブルーカードをおすすめします。
※申し込み時に「運転免許証が必要」と画面に表示される場合がありますが、持っていない人でも1)パスポート、2)健康保険証、3)住民票の写しのどれかがあれば申し込みできます。
