オーストリアの首都ウィーンに3日間滞在してきました。旅行期間中の移動は基本的に地下鉄とメトロを中心に利用していたのですが、日本とはシステムが違っていて、驚くことが多々。
特にこれからウィーンへの旅行を考えている人の中で英語があまりわからない人は乗車チケットの買い方も知っておいたほうが安心だと思うので、このページではまず最初にウィーン市内の乗車券の種類と料金、次に乗車券の買い方、最後に改札の通り方と地下鉄・トラム・バスの乗り方を解説していきます。
それにプラスしてウィーン国際空港とウィーン市内間の移動手段についても最後に書いているので、このページにざっと目を通しておけば、ウィーン滞在中の移動には困らなくなるはずです。
このページの内容
乗車券の種類とそれぞれの料金
ウィーン市内を運行する公共交通機関は地下鉄、トラム、バスの3つがあります。どの交通機関を利用するのにも必要なのは同じチケットで、このチケットは街中の駅構内やバス停付近で買うことができます。
乗車料金は一律
日本では、東京駅から1駅隣の神田駅に向かうのと池袋駅に向かうのとでは、距離が違うので料金が違いますが、ウィーン市内の場合はどこで乗ってどこで降りても料金は同じです。
乗車券の種類
券売機で売られている乗車券の種類は次の通りです。
- 1回乗車券(1 trip at the full price):2.2ユーロ
- 子供・犬用1回乗車券(1 trip at the discount price):1.1ユーロ
- ショッピング乗車券(Shopping ticket):6.1ユーロ
- 24時間券(24 Hours Tickets Vienna):7.6ユーロ
- 48時間券(48 Hours Tickets Vienna):13.3ユーロ
- 72時間券(72 Hours Tickets Vienna):16.5ユーロ
- 1週間パス(Weekly ticket):16.2ユーロ
- 1カ月パス(Monthly ticket):48.2ユーロ
基本的に利用するのは一番上の1回乗車券。乗り換え回数は自由で、
- 地下鉄→地下鉄
- 地下鉄→トラム→バス
のように交通手段をまたいだ乗り換えも可能となっています。ただ、1日中市内をたくさん移動する人の場合は、ショッピング乗車券や24時間券を購入してしまった方がお得です。
ちなみにショッピング乗車券は月曜日〜土曜日の朝8時〜夜8時の時間帯しか利用できないので気をつけましょう。
美術館巡りをする人ならウィーンカード?
地下鉄の券売機では買えないのですが、駅構内のチケットセンターや観光案内所に行けばウィーンカードという旅行客向けの美術館割引特典付き乗車券を購入できます。
- ウィーンカード24時間(The Vienna Card):13.9ユーロ
- ウィーンカード48時間(The Vienna Card):21.9ユーロ
- ウィーンカード72時間(The Vienna Card):24.9ユーロ
このウィーンカードは美術館以外にも、博物館、コンサート、カフェ、レストランで特典が付いているのですが、割引率が低く、美術館だと1ユーロ〜2ユーロ、カフェだとデザート一品サービスぐらいなので、そこまでお得感がありません。
普通のチケットと比べてもだいぶウィーンカードは値段が高いので、よっぽど美術館を駆け回り、カフェに立ち寄りまくる人じゃないとお得にはならないので「お得そう!」と思わずに考えてから買いましょう。僕はおすすめしません。
- 24時間券(24 Hours Tickets Vienna):7.6ユーロ
- ウィーンカード24時間(The Vienna Card):13.9ユーロ
- 48時間券(48 Hours Tickets Vienna):13.3ユーロ
- ウィーンカード48時間(The Vienna Card):21.9ユーロ
- 72時間券(72 Hours Tickets Vienna):16.5ユーロ
- ウィーンカード72時間(The Vienna Card):24.9ユーロ
乗車券の買い方
乗車券の種類がわかったところで次は実際に券売機で乗車券を買う方法について現地で撮ってきた写真と一緒に紹介します。
乗車券売り場があるのは基本的に、地下鉄駅構内、バス停付近、トラム駅付近の三箇所です。バス停付近にはない場合もあるので注意。券売機を見つけたら最初は画面がドイツ語になっているので、画面下部の英語を選択しましょう。
乗車券の種類を参考に自分に必要なチケットのボタンをクリックしましょう。
- 1回乗車券(1 trip at the full price):2.2ユーロ
- 子供・犬用1回乗車券(1 trip at the discount price):1.1ユーロ
- ショッピング乗車券(Shopping ticket):6.1ユーロ
- 24時間券(24 Hours Tickets Vienna):7.6ユーロ
- 48時間券(48 Hours Tickets Vienna):13.3ユーロ
- 72時間券(72 Hours Tickets Vienna):16.5ユーロ
- 1週間パス(Weekly ticket):16.2ユーロ
- 1カ月パス(Monthly ticket):48.2ユーロ
すると、枚数選択画面になるので必要な枚数を選びます。1回乗車券を選択した場合、この時の画面下部に、
- Validate now(今すぐ有効化する)
- Validate later(後で有効化する)
と2つの選択肢が出ているので今すぐに乗る場合はValidate now、後で乗る場合はValidate laterを押してから、右下の緑色のボタンOK, I buy the ticketを押します。
すると次のような支払い画面になるので支払いをします。
この上の画像を見るとわかるように、オーストリアで使用可能な通貨はユーロです。ただ、上の画面に紙幣が表示されていない点に気づきましたか?
これは場所によるのですが、ヨーロッパは基本的に現金社会ではなくカード社会なので支払いで現金紙幣が使えないところが多く、券売機も同様です。
VISA、MasterCard、JCBの付いているカードであれば基本的にどこでも支払いができるので、旅行前にはカードを用意しておくのを強くおすすめします。年会費が無料の上、海外旅行保険が無料で付帯していたり、盗難補償が付いていたりと安心です。
ウィーン市内の地下鉄(メトロ)の乗り方
チケットを購入したら地下鉄、トラム、バスに乗ってみましょう。まずは地下鉄から紹介していきます。
ウィーン市内の地下鉄は改札が日本のものとは全く違います。下の写真をみてください。
オレンジ色の手すりのようなものがズラッと並んでいますが、これが改札なのです。ドアもないし、Suicaをかざす場所ももちろんありません。
電車に乗る前には打刻機を忘れずに
扉がないので入ったり出たりし放題なのですが、有効な乗車券を持っていない状態で公共交通機関を利用しているところが駅員さんにバレると罰金を払わなくてはいけません。
それを避けるために、乗車券を買ったらそのまま改札を通るのではなく、通るタイミングでこの下の画像にある打刻機に乗車券を通すのを忘れないでください。
ちなみに、乗車券を機械で購入した時に、
- Validate now(今すぐ有効化する)
- Validate later(後で有効化する)
の選択肢のうち、「今すぐ有効化する」を選んでいた場合は、乗車券を買った時点で打刻されているので、この打刻機に通す必要はありません。
もし乗り換えをする場合、打刻機に通す必要があるのは一駅目だけで、別の駅やバス、トラムに乗り換える時は打刻する必要はありません。
切符チェックは頻繁に来る?
切符がなくても誰でも電車に乗れてしまうため、利用者の中には切符を買わずに乗っている人もいるようです。ただ、こうした無賃乗車を防ぐために駅員さんが市内を循環していて、抜き打ちの切符チェックが時たま行われます。
この時に切符がない、もしくは打刻をしていない切符だった場合、罰金を払うのがルールなので気を付けましょう。
ただ、僕は3日間ウィーン市内に滞在してその期間中に何度も公共交通機関を使っていましたが、切符チェックの駅員さんに会うことはありませんでした。
ウィーン市内のトラム・バスの乗り方
先ほど説明したようにトラムやバスも地下鉄と同じ乗車券で乗ることができます。トラムとバスは乗り方がほぼ同じなので、ここでは一緒に説明していきます。
切符をすでに持っている場合
すでに切符を持っている場合は、乗ろうとしているバス・トラムが来る場所に向かい、乗車時に車内にある打刻機に切符を通します。
打刻機は車内入り口横と運転席の横にあるので、乗車したタイミングで切符を通すのを忘れずに行いましょう。
切符を持っていない場合
切符を持っていない場合は車内で買うことができます。トラムの場合は自動券売機が車内中央に設置されているので、その機械で購入します。
バスの場合は基本的にバスの運転手さんにお金を渡して乗車券を購入します。
どちらも地下鉄駅などに設置されている自動券売機から購入するよりも若干高めの値段設定(2017年現在、通常2.2ユーロが車内だと2.3ユーロで販売)がされているので、乗る予定がある人は切符をあらかじめ買っておいた方がよいでしょう。
ウィーン市内の路線図
最後に便利情報として、2017年現在のウィーン市内の路線図を紹介します。2017年現在、ウィーン市内では5つの地下鉄路線が走っています。
- U1:赤色の路線。ウィーン市を南北に縦断している。
- U2:紫色の路線。旧市街地をぐるっと囲むように走っている。
- U3:オレンジ色の路線。ウィーン市を東西に横断している。
- U4:緑色の路線。U2と同様に旧市街地を取り囲むように走っている。
- U6:茶色の路線。中心部の西側を南北に縦断している。中心街を通らないため利用頻度は少ない。
U1からU6まで現行路線はあり、U5は新しい路線として現在建設中だそうです。
By User:My Friend – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link
基本的な移動はメトロが便利ですが、中心部内での移動であればウィーン自体がそれほど大きな街ではないので歩いての移動も十分可能と考えても大丈夫です。
空港とウィーン市内の移動方法
最後に、ウィーン市内の南東に位置するウィーン国際空港 (VIE)Flughafen Wienとウィーン市内を結ぶ移動手段についてケース別に紹介します。
ウィーン国際空港からウィーン市内の行き方
ウィーン国際空港からウィーン中心部までの距離はそこまで離れていないので、空港から出ている電車を利用すれば15分ほどで市内の駅Wien Mitteに着くことができます。この駅はU3とU4の2つの地下鉄が通っているので、宿泊先に向かうのも便利です。
15分で市内に向かう電車の名前はCAT(City Airport Train)。空港に到着したらCATと書かれた看板を目印に歩いて行き、そこで券を購入して、乗車できます。
乗車券は一人片道11ユーロ、往復17ユーロなので、もし帰りもCATで帰るのが決まっていれば空港に到着した時点で往復券を買ってしまうのがお得です。
ウィーン市内からウィーン国際空港の行き方
今度は反対にウィーン市内からウィーン国際空港に向かう交通手段を紹介します。
一つ目は空港から市内に向かう手段としても紹介したCAT。空港まで15分しかかからない、最も速い移動手段です。
もう一つがウィーン市内の東部にある地下鉄U3線のErdberg(エアトベルク)駅から出ている空港までのシャトルバス。
このシャトルバスは料金が5ユーロしかかからないのでお金を節約したい人や、U3線沿いにホテルを取っている人におすすめで、このバスでも空港までの所要時間は15分〜20分ほどしかかかりません。
ウィーン市内の公共交通機関の使い方まとめ
以上、ウィーン市内の公共交通機関の利用方法について解説してきました。一度乗車券の買い方や有効化の方法さえわかってしまえば思っているより簡単なので、これからウィーンに向かう人はこのページをブックマークしたりして、現地で見られるようにしておくのをおすすめします。
公共交通機関無料チケットをくれるホテルがある
ちなみに僕が宿泊していたウィーン西駅前の便利なホテルは滞在期間中に有効な公共交通機関無料チケットを宿泊時にサービスしています。
詳しくは次の記事で書いていますが、ウィーンへの旅行を計画中でまだホテルを決めてない人はぜひ参考にしてみてください。駅徒歩1分以内の綺麗なホテルで宿泊料も60ユーロ台だったのでかなりおすすめです。
ウィーンでおすすめのホテル体験記。駅徒歩1分・公共交通機関無料チケット付きで便利
