海外旅行をする時に必要となる現地通貨。両替するタイミングや場所はいくつかありますが、どの通貨に替えるかによってどこで両替した方がいいか、もしくは両替せずに日本からカードを持って行った方がお得な場合もあります。
このページではまず海外旅行の時に可能な通貨両替のタイミング・場所を紹介して、場合に応じてどこで交換するのがお得なのかお伝えします。
このページの内容
外貨交換のタイミング
- 日本国内の市街地にある銀行・両替所
- 日本国内の空港
- 現地の空港、ホテル、市街地
まず、日本円を現地通貨に両替するタイミングは大きく日本国内と現地の滞在先の2つに分かれます。「両替なんてどこでしてもだいたい手数料は同じじゃないか」と考えている人もいるかもしれませんが、両替所ひとつとってもその手数料にはかなりの差があるのを覚えておきましょう。
日本国内の市街地にある銀行・両替所
渡航前に時間的に余裕がある人の多くは主要駅や街中にある銀行の支店や現金両替所であらかじめ日本円から現地通貨に替えておく人が多いのではないでしょうか。
日本国内の大手両替所
日本の市街地にある両替所は大手だと、
- トラベレックスジャパン
- ワールドカレンシーショップ
- 大黒屋
の3つが有名です。大黒屋は質屋さんのイメージがありますが、外貨両替もサービスとして行なっているのです。
このページを執筆している2017年1月8日時点の実際のレートとそれぞれの外貨両替所のレートを比べてみました。
1ドルの値段 | |
実際のレート | 117.0円 |
トラベレックスジャパン | 118.1円(オンラインのレートなので実際はさらに高い) |
ワールドカレンシーショップ | 118.5円 |
大黒屋 | 店舗によって異なる |
ドルの場合、実際の値段に比べて若干手数料がプラスされて、1.3%〜ほど通常よりレートが高く設定されているようです。
ではマイナー通貨の場合はどうでしょう。今度は米ドルの代わりにニュージーランドドルのレートを比較してみます。
1ニュージーランドドルの値段 | |
実際のレート | 81.4円 |
トラベレックスジャパン | 91.1円(オンラインのレートなので実際はさらに高い) |
ワールドカレンシーショップ | 89.8円 |
大黒屋 | 取り扱いなし |
米ドルのようなメジャー通貨と比べると流通量の少ないニュージーランドドルの場合、実際のレートよりも12%近く高いレートで取引されています。
このことから分かるのは、日本国内の外貨交換所では米ドルやユーロのようなメジャー通貨は手数料が低いものの、それ以外のマイナー通貨は手数料がかなり取られることです。
- 米ドルとユーロ:手数料が低め
- それ以外の通貨:手数料がかなり高い
そして、大黒屋の場合は取り扱いしている通貨が少なく、マイナー通貨の場合は外貨両替できない場合もあることを頭に入れておきましょう。
取り扱い通貨 | |
トラベレックスジャパン | UAEディルハム、インドネシアアルピア、エジプトポンド、オーストラリアドル、カナダドル、サウジアラビアリヤル、シンガポールドル、スイスフラン、スウェーデンクローナ、タイバーツ、チェココルナ、デンマーククローネ、トルコリラ、ニュージーランドドル、ノルウェークローネ、パシフィックフラン、ハンガリーフォリント、フィジードル、フィリピンペソ、ブラジルレアル、ベトナムドン、ポーランドズロチ、ポンド、マレーシアリンギット、メキシコペソ、ユーロ、ロシアルーブル、韓国ウォン、香港ドル、人民元、台湾ドル、南アフリカランド、米ドル(五十音順) |
ワールドカレンシーショップ | アメリカ ドル、EU ユーロ、イギリス ポンド、スイス フラン、オーストラリア ドル、香港 ドル、カナダ ドル、シンガポール ドル、ニュージーランド ドル、スウェーデン クローナ、ノルウェー クローネ、デンマーク クローネ、タイ バーツ、韓国 ウォン、ニュー台湾 ドル、中国 元、インドネシア ルピア、パシフィック フラン、マレーシア リンギット |
大黒屋 | 米ドル、ユーロ、カナダドル、ポンド、人民元、オーストラリアドル、韓国ウォン、台湾ドル、香港ドル、シンガポールドル、タイバーツ |
日本国内の大手銀行の支店窓口
外貨交換を専門にしている店舗以外に大手銀行の支店窓口でも同様に海外通貨への両替が可能なところが多いです。
- 三井住友銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- ゆうちょ銀行
ここでは三井住友銀行を例に米ドルとニュージーランドドルにそれぞれ両替した場合のレートを実際のレートと比べてみます。
実際のレート | 三井住友銀行のレート | |
1米ドル | 117.0円 | 117.25円 |
1ニュージーランドドル | 81.4円 | 83.9円 |
米ドルだと実際のレートより0.2%、ニュージーランドドルだと3%三井住友銀行のレートが高いのが分かります。これを見るとかなり銀行窓口で両替するのがお得そうに思えますが、ちょっと待ってください。
三井住友銀行の公式サイトに行くと次の文言がページ下部に書かれています。
外貨現金をご購入・ご売却いただく場合、以下の手数料がかかります(いずれも割引がない場合)。
- 米ドル…1米ドルあたり3円
- ユーロ…1ユーロあたり4円
- 英ポンド…1英ポンドあたり11円。
その他の通貨については、窓口までお問い合わせください。
外貨両替コーナー-三井住友銀行より引用
上の説明を見ると分かるように、大手銀行の場合はレート自体は低いものの、そこに手数料がかかるため実際はメジャー通貨でもマイナー通貨でも損をすることになります。
例えば先ほどの米ドルだと、1米ドルにつき3円の手数料がかかるため、
実際のレート | 三井住友銀行のレート+手数料 | |
1米ドル | 117.0円 | 117.25円+3.0円=120.25円 |
実際のレートよりも2.7%高い値段で取引することになってしまいます。これはメジャー通貨の場合でニュージーランドドルのようなマイナー通貨になるとこの手数料はさらに上がるので見かけのレートに騙されないように気をつけましょう。
日本国内の銀行・両替所で両替するメリットとデメリット
ここまで両替所と銀行窓口での両替を見てきましたが、メリットとしては次の2点が挙げられます。
- 不正がないので安心
- マイナー通貨にも交換できる
1つ目は不正がない点。海外で現地通貨に替えようとすると場所によっては詐欺にあう可能性も考えなくてはいけません。そしてマイナー通貨を扱っている場所も多いので、日本円から現地通貨に替えることができるのもメリットです。マイナー通貨の場合だと、現地では日本円から交換できない場所もあるので気をつけましょう。
そして、日本国内での両替のデメリットは次の点。
- 手数料が高い(特にマイナー通貨)
ズバリ、日本国内の交換所は銀行でも両替所でも手数料が高いです。これは日本の物価の高さや人件費の高さが影響しています。
日本国内の空港内の両替所
そして、日本国内で両替をする場所として出発直前の空港で両替する人も多くいます。空港の場合、メリットとデメリットとして次の点が挙げられるでしょう。
メリット:旅行直前での両替が可能
空港で両替をする最大のメリットはその便利さです。あらかじめ市内の両替所に寄らずとも出発ロビー内にある両替所に行けば出発直前でも両替ができるので、手間がかからないのが魅力と言えるでしょう。
- 空港内の出発ロビー内にあるので便利
デメリット:手数料が市街地よりも高い
ただ、出発ロビー内にある両替所は基本的に手数料が市街地の店舗と比べて高く設定されています。これは需要と供給の関係から考えると明らかで、出発直前の人であれば多少手数料が高くでも気にせずに両替する人が多い、出店料が高い、などの理由で手数料が高めに設定されています。
- 出発ロビー内の両替所は手数料が高い
現地の空港、ホテル、市街地
これまで見てきたように、日本国内の両替所は基本的に手数料が高いことがわかりました。では現地で両替が可能な場所ではどうでしょうか。手数料やサービスは実際の所、場所によりけりですが、ここではこれまでヨーロッパや東南アジアを旅行してきた自分の経験からその傾向を書いていきます。
空港・ホテル
空港の出国ロビーにある両替所は、日本の空港内の出発ロビー内同様、需要が高いのでその分手数料も高く設定されています。また、ホテルの受付で両替が可能な場所もありますが、そこで提示されるレートは正直かなり高いです。
というのもホテルは本業が宿泊業で、両替はメインの仕事ではないため、両替を専門に行っている店舗に比べて交換通貨のストックが少ないため、手数料が高くなります。
- 空港よりもホテルのフロントの方が手数料が高い場合が多い
- 騙される可能性は低い
ただ、空港内にある両替所や大手チェーンホテルのフロントであればある程度信用があるため、詐欺にあう確率は低いです。
市街地・観光地にある両替所
市街地の両替所はピンキリです。安いと言われているところもあればかなりの高値でぼったくられるようなところも多いので正直ここでの両替はおすすめしません。
そもそも日本円から現地通貨に交換できる場所もマイナー通貨の場合は限られているので、観光地の両替所は行かない方がよいでしょう。
- ぼったくられる可能性が一番高い
- マイナー通貨の場合は日本円から替えられないこともある
両替所付近で声をかけられても無視
そして観光地の場合、両替所の近くには観光客狙いの詐欺師が多く集まってきています。両替所の前でその日のレートを見ていると「俺の方が安く両替するよ」と声をかけてきますが、それは嘘です。
偽札の場合や、詐欺の場合がほとんどなので、こうした人に話しかけられても無視。まず両替所付近で立ち止まらないことが最大の予防策と言えます。
日本の両替所と現地の両替所を比較するまとめ
以上のように日本の両替所と現地の両替所のメリットとデメリットをそれぞれ見てきました。海外旅行をすることの多い僕からするとまとめとしては次のようなことが言えるでしょう。
- 現地での両替は極力避ける
- 日本の市街地にある大手両替所で交換しておく
まず現地での両替はリスクが高いです。旅行に慣れている人なら相場観や店舗の雰囲気で判別できますが、そうでない人はやめておきましょう。日本円からはそもそも現地通貨へ両替できない場所も多いのでマイナー通貨に交換したい場合はなおさらです。
そう考えると日本で両替するほかありません。空港内の両替所は高いので、市街地にある両替所か大手銀行の窓口であらかじめ両替しておくのがこの場合の最適解と言えます。
日本で交換するのが一番安全だが、やや手数料が高い
ただ、日本の両替所で交換する場合、米ドルだと1-4%、それ以外の通貨だと5%-15%近くの手数料がかかってしまい、しょうがないとは思っていてもなんだか損した気分になってしまいます。特に米ドル以外の通貨に交換する人ならなおさらですね。
そんな場合におすすめなのが、僕が実践しているやり方で、クレジットカードを使う方法です。
現地通貨に両替せずにクレジットカード払いする方法
海外では支払いの際に現金払いよりもカード払いが一般的な国が多くあります。例えばヨーロッパに旅行するならクレジットカード払いしか受け付けていない場所さえあるぐらいカード払いが浸透しているので、どこでもクレジットカードで支払いができます。
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そして嬉しいことに、海外での支払いにクレジットカード払いを選択するのであれば現金よりもクレジットカード払いの方が手数料が低いのでお得になるのです。
現地通貨とクレジットカード払いの手数料
現地通貨に日本で両替してから行くのと、クレジットカード払いで行くのはどちらがお得なのか比較すると、両替所の手数料が一般的に3-6%なのに対して、クレジットカードだと通貨に関わらずに1-2%¹です。
※¹:クレジットカード払いだと現地通貨に関わらず手数料が一定で1-2%なので、外貨交換の際に手数料が大量に取られてしまうドル、ユーロ以外の地域に向かう人はクレジットカード払い一択です。
なので手数料で損をしたくない人は日本で両替する額は緊急用のお金だけ(50〜100ドル前後)にしておいて、クレジットカードで旅行中は支払いをするのが個人的にはおすすめです。
海外旅行の時におすすめのクレジットカードに関しては次の記事、現金とクレジットカード払いの手数料を比較した内容についてはその下の記事を読んでみてください。
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