パリ旅行の時に一番困るのがトイレです。日本だと街中に公衆トイレがあったり、コンビニやスーパーに入れば無料で使えるトイレですが、パリではそうはいきません。まずトイレ自体の数が少なく、大型のショッピングモールや公園でも全体で1箇所しかトイレがないこともざらにあります。
僕もパリに住み始めてから今の今まで不便だなと思い続けているのですが、日本から観光に来た人にとっては死活問題だと思うのでパリのトイレ事情についてこのページではまとめていきます。
このページの内容
無料トイレの場所・地図
まず無料トイレの場所から紹介します。パリ市が設置している無料の公衆トイレは公式サイトによると市内約400箇所に設置されていて、それぞれのトイレの場所は次の地図から見ることができます。
上の地図上で表示されているトイレをクリックするとそのトイレに関する情報が出てくるので、HORAIRES OUVERTUREがそのトイレが利用可能な時間です。
トイレの中には24時間利用可能な場所もありますが、その数は半分以下ほどに限られているので深夜帯の利用は気をつけましょう。
- 6:00-22:00:210箇所
- 6:00-25:00:30箇所
- 24時間:155箇所
無料トイレの仕様
市内400箇所近くに無料の公衆トイレがあるのなら、パリ滞在中もトイレはそこまで困らないのでは?と思う人も多いかもしれません。パリの無料トイレの評判が悪いのはその数ではなく、その作りです。公衆トイレの写真を撮ってきたので見てみましょう。
トイレは一人用。一度に一人ずつしか使えない
パリ市内のトイレが少ないと言われる理由はトイレが一人用だということです。普通日本にある公衆便所は男女別の入り口があって、中には複数のトイレが設置されているので、一度に複数人が利用できますが、パリ市内に設置されているトイレは男女共用の一人用です。
一度の利用で一人しか使えないので観光地のトイレは常に行列ができているのです。
トイレの使い方ステップ別
ここからは公衆トイレの使い方をステップごとに書いていきます。なぜたかが公衆トイレの使い方にいちいち画像まで使って説明するかというと、その利用方法が初見殺しで使い方を間違えると雨水を全身に浴びることになってしまうからです。
1.ランプの色を確認して緑色なら入る
- 外にあるランプをチェックする
- 緑の場合はボタンを押して中に入る
最初に外にあるランプの色をチェックします。緑なら利用可能、黄色なら使用中、青色は清掃中、赤色は利用不可です。
緑色の場合は利用できるのでボタンを押して中に入りましょう。
2.扉が自動で閉まるまで待つ
- ドアが自動で閉まるまで待つ
- 用をたす
トイレの中の作りは上の画像のようになっています。便座がないので座って用をたす人は辛いです。それと場所によってはかなり汚いので気をつけてください。清潔度を売りにしているのですが、利用者の使い方が悪いのでひどいところもあります。
それとトイレットペーパーが設置される場所はあるのですが、盗まれていたり濡れていたりと使えないことが多いので持ち歩くようにしましょう。
中に入ると入り口の扉が自動で閉まります。もし自動で閉まらない場合は上の画像の左側真ん中のボタンを押してください。赤いレバーは非常用なので触らないようにしてください。
3.洗浄ボタンを押して手を洗い外に出る
- 洗浄ボタンを押す(このタイミングでは流れない)
- 手を洗う
- ドアを開けるボタンを押す
- ドアが開く
用を足したら便座の上部にある洗浄ボタンを押します。水の量が大と小の2種類から選べるのでどちらかを押してください。
すると、ここで水が流れると思いきやこのタイミングでは洗浄は開始されません。洗浄が開始されるのはあなたがトイレから出た後になります。
手洗いスペースがトイレ内にあるので手をかざすと水が出てきます。場所によってはここが壊れていて水が出ないところもあります。
そして、退出時は扉付近にある左下の扉開閉ボタンを押してください。赤色のレバーは非常用レバーなので触っては駄目です。
触ってはいけない非常用レバーが外に出る用のボタンと紛らわしい位置にあって、その説明がフランス語でしか書かれていないのはまったく観光客に優しくないですね。
4.洗浄タイムが始まる
- トイレから退出
- トイレのドアが閉まり洗浄タイム
あなたがトイレから外に出て10秒ほどすると自動でドアが閉まります。パリ市内に設置されている無料トイレは一人一人のトイレ後に便器だけでなくトイレ内部全てを洗浄するのです。
なのであなたがトイレを待っていて誰かが出てきてもそのタイミングでトイレに入ってはいけません。誰かがトイレから出てきたら一度扉が閉まるまで待ち、洗浄が始まって、それが終わり、緑のランプが点灯してからでないといけないのです。
誤って入るとびしょ濡れになる
洗浄中はトイレの中がビショビショに洗浄されます。なのでこのタイミングで間違って中に入ってしまうと衛生状態最悪なトイレの中でビショビショになってしまうので本当に最悪です。
誰かがトイレから出てきて10秒間は扉が閉まらないというのもトラブルを生む絶妙な間で、トイレを待っている人は自分の番かと思い入ってしまうことがあります。
で、これって観光客は気づきにくいですよね。僕も街中の無料トイレで自分の番を待っていて、前の人が出てくるタイミングで自分のことを観光客だと思って英語で「You need to wait.」と言われたことが二、三回あるので被害にあう観光客は多いのでしょうね。
実際ネットで探してみると間違って誰かがトイレを出たタイミングで中に入ってしまいひどい目にあった人が何人もいるようです。最悪の思い出ですね。
使いやすさゼロの無料トイレ
パリ市の公式サイトに書かれた公衆トイレのページを見ると、このトイレはリサイクル素材でできていて、雨水を再利用しているエコなトイレで、車椅子利用者でも使える素晴らしいトイレだと書かれているのですが、使いやすさは最悪です。
人を捌けない
まず一人しかトイレを一度に利用できないので観光地のトイレは長蛇の列が常時できています。一人がトイレをするたびに1〜3分ほどの清掃タイムがかかるので全然人が捌けない仕組みになっています。
観光地ではなおさらで、エッフェル塔やノートルダム大聖堂周りのトイレは常に行列ができています。
無駄なところが多い
ドアの開閉を自動にしてセキュリティーを高めたり、毎回毎回清掃タイムを設けたりと、無駄なところに気を使って全然ユーザーのことを考えていない作りになっているのが今のパリの無料トイレ。
他にもトイレの外側には飲料水が出てくるボタンが付いているのですが、トイレの横から出てくる水なんて誰も飲もうとしません。そもそもトイレの裏側についているので普通の人はその存在に気づかないでしょう。
ただ、もしかしたらここまで利便性がゼロなトイレを市が作っているのはこんな無料トイレなんか使わずに有料トイレを使ってくれというメッセージなのかもしれません。
有料トイレは雇用創出にもつながっている
パリ市内には無料トイレの他に観光スポットやショッピングモールには1回0.5-1.5ユーロほどの有料トイレがあります。この有料トイレのシステムは入り口にトイレ清掃員のおばちゃんが座っていて、利用前にその人にトイレ使用料金を支払う仕組みになっています。
この有料トイレが市内にはたくさんあって、長蛇の列ができている無料トイレを待てない人は有料トイレに行くしかないので、そこで働く清掃員という職を作れているのは理由としてある気がします。
失業率を下げたいフランス政府はあらゆる手を使って職(パリ市内では驚くほど多くの清掃員が雇用されています。移民出身者の職を作るために本来必要ない職を作らざるを得ない状況なのです)を創出していて、これ以上失業者を増やしたくないので有料トイレが多く市内では作られています。
ちなみに有料トイレだからといって清潔度や設備が保証されているわけではありません。日本と比べたら有料トイレでもかなり汚い場所も多くあるので失望しないでください。
パリ市内のトイレ事情まとめ
以上がパリ市内のトイレ事情のまとめでした。パリは日本とトイレ事情が全然違うので旅行中は気をつけておきたいポイントです。
